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2026-09-21 · 基礎知識 公式

白い蕎麦と黒い蕎麦は何が違う?そばの実を挽くと分かる色の秘密

読みもの

白くて細い蕎麦を見ると「小麦粉が多そう」、黒くて太い蕎麦を見ると「そば粉がたっぷり入っていそう」。見た目から、そんな印象を持つことがあります。

ところが、白い十割蕎麦もあれば、濃い色の二八蕎麦もあります。色だけで配合は見抜けません。その理由を知るには、麺になる前の、蕎麦の実を見てみる必要があります。

一粒の中が、全部同じ色ではない

蕎麦の実は、外側の硬い殻を取り除いてから製粉することが多く、殻つきの実は「玄そば」、殻を除いたものは「丸抜き」と呼ばれます。殻を含めて挽く方法もあり、まずこの段階で粉の性質が変わります。

さらに、実の中心寄りと外側寄りでは、色も成分の構成も違います。中心に近い部分は白く、でんぷんを多く含みます。外側寄りの部分を含めると色が濃くなり、たんぱく質や脂質などの割合も変わってきます。

つまり「同じ蕎麦の実を挽いた粉」でも、どの部分をどれくらい取り込むかで別の粉になるんです。色の違いは、単に小麦粉で薄めたかどうか、という話ではありません。

一番粉、二番粉、三番粉は、おいしさの順位ではない

そば粉の説明に出てくる「一番粉」「二番粉」「三番粉」。一番粉が最上級で、三番粉はその下、と思いがちですが、基本的には製粉して採り分ける粉の呼び名です。

中心寄りから取れる白い粉は、すっきりした口当たりや甘みを生かす蕎麦に向いています。外側寄りの部分を含む粉は、色や風味に違った特徴が出ます。製粉方法や配合によっても変わるので、番手だけで味の強さを断言することはできません。

お店が目指すのが、なめらかに食べられる麺なのか、噛んで風味を楽しむ麺なのか。その狙いによって、使いたい粉も変わります。数字は優劣というより、材料を選ぶための情報なんですね。

更科蕎麦が白い理由

更科蕎麦は、主に実の中心の白い部分から取れる更科粉を使います。白い色は、そば粉自体の特徴です。更科という名前だけでは、つなぎの有無や割合までは決まりません。

香りが穏やかなものでは、つゆをたっぷりつける前に少し食べてみると、甘みや口当たりを確かめやすくなります。濃い香りがないから物足りない、と決める前に、食感にも注目してみてください。

白い粉は、ほかの材料の色や風味を生かすのにも向いています。柚子やよもぎなどを練り込む「変わりそば」に更科粉が使われるのも、その特徴を生かしたものです。白い蕎麦から季節の色鮮やかな蕎麦へ、話がつながるのは面白いところです。

黒い粒が見える麺にも、いろいろある

田舎蕎麦と呼ばれるものには、濃い色や太い麺、しっかりした食感のものをよく見かけます。ただ、「田舎蕎麦なら必ずこの配合、この太さ」という全国共通の規格があるわけではありません。

粒が見えるからといって、それがすべて硬い殻だとも限りません。粉に含まれる部分や粒の大きさ、挽き方が見た目に表れます。「粗挽き」は主に粉の粒の大きさに関わる言葉で、「十割」とは別の情報です。

十割は配合、更科は使う粉の特徴、粗挽きは挽き方。品書きの言葉を分けて読むと、蕎麦の違いがずいぶん整理しやすくなります。

食べ比べは「色・香り・食感」を別々に

白い蕎麦と濃い色の蕎麦がセットになっていたら、まず見た目を確認し、同じくらいの量を食べてみましょう。最初は薬味を控え、つゆも同じ程度にすると違いをつかみやすくなります。

香りはどちらが好みか。噛んだときになめらかなのはどちらか。つゆを合わせたら印象は変わるか。三つを別々に考えると、「黒いほうがおいしいはず」という先入観から少し離れられます。

色からすべては分かりません。でも、色の理由を知ってから食べると、麺の見方は確実に増えます。気になる一枚に出会ったら、「どんな粉を使っていますか」と聞いてみるのもいいですね。

— 記・蕎麦乃助
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